橋本治 桃尻語訳 枕草子 | コネタノート

桃尻語訳は永遠に。

この本がよい!

今朝、新聞を広げてびっくりしました。

「橋本 治さん死去」の文字が。

「もう、ああいう古典の訳本はでないんだなぁ…。」

ユキノジが初めて橋本さんの著作を読んだのが、高校2年生の時、
「桃尻語訳 枕草子」でした。

書店で「なにこの”桃尻語訳”って?」と手に取ったのがきっかけでした。
ちょうど授業で「枕草子」をやっていたのもあり、購入しました。

「女子高校生語…ある意味、直訳過ぎる…。」と、衝撃をうけたのを覚えています。

本の帯にはこんな書評が。

「千年も前から、素敵!(をかし)、いいわァ(あはれ)、ダサイ(わろし)、なんか(など)を
すっごく(いと)、いっぱい(あまた)使ってしゃべる、ほとんど現代女子高校生の感性と
同じ女の子だったんだ。誰もいわないから、はっきり言ってしまう。古典を記号解読
みたいに読むのは間違い。…(後略)」

単行本 帯より

まずは、有名な第一段、「春はあけぼの」は…

“春って曙よ!だんだん白くなってく山の上の空が少し明るくなって、紫っぽい雲が細く
たなびいてんの!”

桃尻語訳 枕草子 上 P.17 第一段

これだけ。
全然あけぼのが良いとも悪いとも言ってない。

私たちが授業で習うのは、大抵、あけぼの(が、良い)って補足した文章ですよね。
この調子で、原文ママに訳しているものだから、うっかりすると「ええっと、これは誰の何のことを 指してるんだっけ?」になります。
幸い、橋本さんは原文にはない「句読点」を適宜訳文に加えることで、読みやすくしています。

けど、これを今読むと、「言葉って生き物なんだなぁ。」と思わずにはいられません。

この本が出版された当時、(1987年頃)女子高生・女子大生はこんな感じでしゃべっているのがナウかったんでしょうが、2019年に読むと、「いやいや…今この言い方は…苦笑」という感覚になってしまいます。
なので、読み返すときは適宜「超」とか「イケてる」に、自分の脳内で置き換えてみるのも楽しいかもです。


他にも、橋本さんは「徒然草」の現代語訳もしておられます。その本がこちら。

絵本 徒然草
絵本 徒然草

これは、吉田兼好こと卜部(うらべ)兼好が、ちょっとひねくれ者のオジサンというキャラクター設定で、訳文が書かれています。

印象としては、全体的に説教臭い(笑)んですけども、今読んでも「そうだよなぁ」と納得する所多しです。

「第五十九段 大事を思ひ立たん人は」などは、「…先送りやめよう。」と思わせてくれる段です。
改めて読み返そうと思います。

桃尻語訳 枕草子と、絵本 徒然草のおかげで、ちょっと古典の授業が楽しくなりました。

橋本さんのご冥福をお祈りいたします。