google.com, pub-1047592723110214, DIRECT, f08c47fec0942fa0 元スイミングコーチの独り言 アーカイブページ | コネタノート

元スイミングコーチの独り言

スイミングスクールに勤務していた頃のよもやま話や、水泳に関するトピックを紹介しています。
0本目から20本目をアーカイブしています。スキル・メソッドに関しては、現在のものと異なる場合があります。ご了承ください。

0本目 まずは経歴を紹介します。

元々、小学生の頃から割と泳げていて、郡の大会に出たこともあります。中学に入ると体育の授業以外に泳ぐ機会はなかったんですが、ユキノジがうどん県に住んでいた頃、たまたま某スイミングスクールのスタッフ募集のチラシを見て応募したのが、コーチになったキッカケです。で、そこで3年ほどアルバイトをしていました。(今はそのスクールはないと思います)

当時(1998年頃)そこは結構大きなスクールで、研修もしっかりしたカリキュラムがあったので、最終的には赤ちゃんから小学校5年生位の子までの指導ができるようになりました。たまに大人の初級アクアビクスというか、水中で行う体操のようなプログラムも担当してました。

※私が勤めていた当時のカリキュラムと現在のそれとは異なる見解・メソッド(方法・やり方)があると思いますので、その点はご容赦ください。※

1本目 顔がぬれても平気になる。

スクールに入ったばかりの子どもたちを見ていると、顔に水が掛かることをものすごく嫌がる子が一定数いるんですね。プールサイドに座って足をバタバタさせて水しぶきを上げている時なんかに、顔をそむけてたり後ろ向いちゃってる子は、その確率が高いような。

そういうお子さんは大体、「水が嫌い」だったりします。(あくまで個人の実感です。)

そういった子たちをよく観察すると、顔に水が掛かった時に、目の辺りだけをちょいちょいっとぬぐっているだけっていうのが多いようです。(これも個人の実感です。)

顔に水がかかってもうまく拭えていない…。

顔が濡れた時に、両手のひらで上から下へ拭わないと、水が額からしたたり落ちてきて、いつまでたっても目が開けられない、目が痛いから不快→顔が濡れるのが嫌→水が嫌…という図式が出来上がります。

では、上手な顔の拭き方はどうするかというと。

泳ぐためには、とにかく「顔に水が掛かって濡れても平気」でない事には始まらないので、こういった子どもさんには水遊びをしながら慣れていくようにしていきます。

こんな練習をしていました。(当時)

一例をご紹介します。

ごっこ遊びを取り入れた練習で、徐々に水に慣れてもらいます。同時に、顔の拭き方も教えます。

最初は「手を水で濡らして、ほっぺにつける」ところから始めて、「いないいないばあ」の要領で顔を上から下に拭う動作を教えていきます。←これ重要です。それに慣れてきたら、おもちゃのジョウロなどを使って、少しずつ頭に水をかける動作を加えていきます。それが平気になってきたら、子ども用の洗面器を使って頭から水をかぶる動作を練習します。

最終的に、洗面器の水を自分で頭から豪快にかぶっても顔が拭えて平気になれば最初の段階はクリアです。

このような練習は、主に年少(3才)~6才(年長・小学1年生)の子どもさんに行っていました。まずは子どもたちに水に慣れてもらうことを目標にしていたので、この段階では、バタ足などの泳ぎの基礎のような練習は含まれていません。


「目に水が入るのも嫌だけど、それ以上に、鼻に水が入るからプールはイヤだ。」

…はい、これ、プールが嫌いになる原因第一位ではないかとユキノジは踏んでおります。

鼻に水が入るとめちゃくちゃ痛い。特に塩素の効いたプールの水は特に痛い気がします。私もたまにやらかしてましたが。大人でも痛いんだから、ましてや小さい子どもは…ねぇ。

でもこれ、鼻に水が入らないようにするコツがあるんですね。

その練習の仕方は、また来週。

2本目 「鼻に水」問題を解決する。 

さて、先週、「鼻に水が入るからプールが嫌だ」というご指摘がありました。
なので今日は「鼻に水が入らないようにする練習」についてお話したいと思います。

鼻で息をしなけりゃ、問題解決。

…もう、身もフタもない言い方で申し訳ないのですが、鼻で息をしなければ(厳密に言うと、鼻から息を吸わなければ)鼻に水は入ってきません。

クロールの息継ぎとかで、鼻に水が入って痛い思いをするのは、この「鼻から息を出して、口から息を吸う」ことが上手くできないために起こります。
なので、息継ぎの練習をする前に、「鼻で息を出して、口で息を吸う」練習を取り入れます。

では、練習方法を見ていきます。まずは、小さい子どもさんの場合。

こんな練習をしてました1  (小さい子どもさん向け)

口から息を吸ったり吐いたりできるようになれば、「鼻から息を吐いて、口から息を吸う」練習に入ります。

こんな練習をしてました2 (小学生~大人)

大人の方であれは、この練習から入っていただいても良いかと思います。

鼻から息を吐く時は、最後まで息を吐ききることがポイントです。

この練習を「ボビング」と言っていました。

鼻から息が出せるようになると、水をうっかり吸い込んで痛い思いをすることが少なくなります。個人的には、背泳ぎをするときに、絶大な効果を発揮するような気がします。(詳しい効用についてはまた後日。)

まぁでも、研修とかで泳ぎ込みをやってた時は、息が上がるんで、鼻から吐くのが追っつかなくて純粋な口呼吸になっていた記憶が…。何かもう、「ぶぐはぁぁぁっ!!」みたいな感じでしたね(;´∀`)

鼻に水は入らなくなっても、クロールの息継ぎは上手くできないから、ヤダ。

クロールは何とかできるけど、息継ぎができないから15m位しか泳げない…。こういうお悩みをよく聞きます。

「息継ぎができない」お悩みの最大のポイントは、

顔を横に向けるタイミングが分からない。

…なんではないかと思います。(個人の実感です。)

来週は、この「息継ぎのタイミング」の練習についてお話したいと思います。

3本目 「息継ぎ問題」を解決する。

前回、「鼻に水は入らなくなったけど、クロールの息継ぎは上手くできないから、ヤダ。」というご意見がありました。

この、「クロール息継ぎ上手くできない問題」は、顔を横に向けるタイミングが重要なので、今回は「クロールの息継ぎのタイミングの練習」についてお話したいと思います。

左右どちらで息継ぎするか決めよう。

誰でも「利き腕・利き足」があるように、「向き癖/後ろから呼ばれてとっさに振り向く方向」があります。これを参考にして、最初に「どちらに顔を向けやすいか」を自分で判断してもらって、そちら側を「息継ぎする方向(仮)」と決めます。これは、練習していくうちに「思ってたのと違う」のであれば、後から向きを変えてもらっても良いです。

こんな練習をしてました

水中を歩きながら、またはプールサイドを持ちながら、「1、2、3、ぱっ」のタイミングで、先ほど決めた方向に向く練習をします。この時、先週お話した、「鼻から息を出して、口から息を吸う」練習も同時に行います。

1.息継ぎをしない方の向きの手(右で息継ぎをするなら、左手。左で息継ぎするなら、右手)でプールサイドをつかみ、顔を水に浸ける。

2.水中で「1、2、3…」のカウント中に、鼻から息を吐きます。

3.「ぱっ」で横を向き、口を大きく開けて息を吸います。

「1、2、3」のカウントが終わるまでに息を吐ききるのがポイント。イラストではちょっと分かりにくいですが、1(ん~)、2(ん~)、3(んっ!)という感じで、3の時に勢いよく吐き出すとうまく行きます。

顔を横に向けても口が水面から上に出ませんけど…?

そういう方は、たぶん、”肩”をあまり動かさずに、顔だけ横を向いて息継ぎをしようとしていませんか?

「3、ぱっ」の時にただ顔だけを横に向けるだけではなくて、肩も一緒に動かすようにしてみてください。

イメージとしては、自分が焼き鳥とかバーベキューになったつもりで頭に串を刺されて回されているという感じです。

ストロークを付けて練習してみよう。

タイミングが何となくつかめてきたら、次はクロールのストロークをしながら練習します。

息継ぎする方向と「反対側」の腕から動かし始めるのがポイント。例えば右側で息継ぎをするのであれば「1、2」で左手を回し、「3、ぱっ」で右手で水をかくのと同時に横を向いて息継ぎ…となります。

右側で息継ぎをするなら、この反対です。

次にキック(バタ足)をつけて行います。

ここでは、タイミングを覚えてもらう練習なので、フォームは多少ぎこちなくても良いですが、息継ぎの際、脚(バタ足)が止まってしまわないように注意してください。

こういう、クロールの仕方?というのかやり方を、「キャッチアップ・クロール」といいます。(手のひらが重なってから水を掻き始めるやり方)ストロークや呼吸を意識して練習できるので、初心者におススメです。

「3、ぱっ」の時に、息継ぎをしない方向の手(ユキノジの場合は左手)がギリギリ届くところの物を取るイメージでちょっと前に伸ばしてみるとやりやすくなるかと思います。

慣れてきたら、息継ぎのルーティンを決める。

最後に、何とか息継ぎのタイミングとコツがわかってきたら、「何回水をかいたら息継ぎする」のを決めると良いです。大体2回~4回位のリズムでしょうか。息が続かなく(ガマンできなく)なったら息継ぎ…だと、結局は体力を消耗というかペースが乱れて長くは泳げないです。自分に合ったタイミングで行いましょう。

「何か練習ばっかりで疲れた~。プールって泳ぐだけじゃないでしょ?」

う~ん、それもそうですね。3回ともガチでスキル系の練習でしたからね。

それでは、来週はファン系(水中エアロビクスなど)プログラムのこぼれ話を紹介します。

4本目 泳ぐだけがプールじゃない。

プールに来られる人の中には「泳ぐことは目指してないけど、足腰に負担をかけずに運動したい」という方がいらっしゃいます。そういう方向けに、プールプログラムには、「ファン系プログラム」というものが用意されていました。

※なお、この「ファン系プログラム」という呼び方は、ユキノジが当時勤めていたスポーツクラブでの呼び方です。

大きく分けて「アクアビクス(水中エアロビクス)」「水中ウォーキング/ランニング」「水中エクササイズ/ストレッチ」の3つがありました。

アクアビクスは負荷の調節が自由自在

ファン系プログラムの中でも、特に人気があったのが「アクアビクス(水中エアロビクス)」です。スタジオでやるエアロビクスと同じように音楽を流しながら行います。幅広い年代の方に人気で、多いときは30人近い参加者が居ました。(プール半分が埋まる)

陸上でエアロビクスをやる場合は、「空気の抵抗」なんて気にせず行っていますが、これが水中になるとあらゆる動きに「水の抵抗」が付いてまわります。これがあるおかげで、器具も何も使わずに、個人に応じた負荷を設定できます。

インストラクターは、参加者の様子を見ながら、上の図のような方法で運動の負荷を調整します。「きつい方はゆっくり~」とか、「しんどかったら手はグーでいいよ~」などです。

ですが、会員さん(メンバーさんとも言います)の中には、通称「カエルの手」を装着してレッスンに臨む猛者(失礼!)もいらっしゃいました。これを装着すると、腕への負荷が爆上がりします。

「アクアビクス」は、水中で行うため、振り付けを多少間違えても分かりにくいのがポイントです。スタジオでは「盆踊り状態」になるのが恥ずかしい…という方でも大丈夫なので、ぜひ挑戦してみてください。

浮力があるからできること。

冒頭でも書きましたが、水中では「浮力」が働くため、足腰に負担をかけずに運動ができます。また、「水の抵抗」を利用して、器具・機械などを使わずに負荷を調節できる利点があります。

例えば、下のイラストで示したような動きは、水中だからこそできる運動です。2の「内転筋の運動」などは、陸上では転倒の危険もあり行うのは難しいですが、浮力のおかげで、筋力が弱い方でも体幹が安定します。また、太ももの動かし方だけで負荷が変えられます。(アクアビクスで書いた、大きくゆっくり・小さく速く、の動かし方)

スポーツジムのマシンなどは苦手…という方でも、難しい操作なしに負荷が変えられるので、水中での運動はおススメだと思います。

これから暑くなってくると、プール利用者が増えてくるわけで。それはそれで喜ばしいことなのですが、中には「トンデモ」なメンバーさんもいらっしゃいます…。

次回はそういった「プールにまつわるこぼれ話」などを。